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  • 癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

    長寿社会の勝ち組となるには(その30) 最新免疫療法抗がん剤(PD1阻害剤)の効果を高める 腸内微生物叢移植

    1. 腸内微生物叢(gut flora)の棲み処(すみか)を移植

    この(2019年)3月29日から4月3日にかけてアトランタで開催された
    全米がん研究協会(AACR)年次総会のプログラムで発表された
    「腸内微生物叢棲み処(すみか)の移植」が癌治療関係者や患者の間で大きな
    話題となっています。
    移植の発表の一つはテキサス大学MDアンダーソン癌センターの
    ジェニファー・ワーゴ(Jennifer Wargo)博士のグループによるものです。
    「Fecal transplants could help patients on cancer immunotherapy drugs」
    「腸内微生物叢棲み処(すみか)の移植がPD1阻害剤の効果を高める」

    (注釈)
    *全米がん研究協会(AACR:the American Association for Cancer Research)
    *全米がん研究協会の目標:
    Integrative Cancer Science• Global Impact • Individualized Patient Care
    *腸内微生物叢の棲み処の現物試料は、原文でstool sample(便のサンプル)
    *腸内微生物叢の棲み処の移植は、原文でFecal transplants(便の移植)

    2. PD1阻害剤は腸内微生物叢の質で成功率が左右される

    健康な腸には無数の善玉、悪玉バクテリアが程よいバランスで存在します。
    現状では「腸内微生物叢の<質>」を数値化するに至りませんが
    <質>とは悪玉菌優勢か、善玉菌優勢かの均衡程度。

    「消化器に住む微生物が如何に癌免疫療法に影響を与えるか」
    癌治療の改善に取り組む*テキサス大学(ヒューストン)MDアンダーソン癌センターの
    研究者チームは数年前に腸内微生物叢研究で新たな癌治療の糸口を探し出し
    2017年2月にサイエンス誌に論文を掲載しています。
    研究者チームの報告は、「米国民に多い*悪性皮膚がん治療に最新免疫療法抗がん剤
    は成功確率が25%程度。成功率の向上にいくつかの抗がん剤を組み合わせるなど工夫することを
    強いられている」
    「癌免疫療法の成功率の高低に腸内微生物叢の<質>が大きく影響を与えている」
    というもの。
    高価な最新免疫療法抗がん剤を使用している患者らが、「腸内微生物叢」の<質>に、
    どのような影響を受けているかは課題の一つでした。
    今回発表された「腸内微生物叢棲み処(すみか)の移植」は「腸内微生物叢の<質>」があいまいな現状で
    採り得る最良の手段と考えられたのでしょう。

    (注釈)
    *テキサス大学MDアンダーソン癌センター:
    The Univercity of Texas MD Anderson Cancer Center
    *最新免疫療法抗がん剤(PD1阻害剤):PD-1 checkpoint inhibitors(anti-PD1 checkpoint blockade)

    *悪性皮膚がん(転移性黒色腫:metastatic melanoma)

    テキサス大学MDアンダーセン癌センターは米国における最高の癌治療センターの
    一つといわれます。
    「MD Anderson has been ranked the No. 1 hospital for cancer care in the nation
    by U.S. News & World Report’s “Best Hospitals” survey」
    全米一の新聞 US News & World Reportにより癌(がん)治療病院、癌研究部門の
    最高位に選ばれました。

    3. PD1阻害抗がん剤の効果を高める腸内微生物叢移植

    2019年全米がん研究協会の発表ではジェニファー・ワーゴ博士らが
    癌免疫療法の医薬品(PD-1 checkpoint inhibitors)が効かなかった患者の
    腫瘍が、医薬品で成果があった患者から得た腸内微生物叢の棲み処を移植したことで大きくならず、
    それより縮小したことを報告しています。
    (研究者らはこの報告が研究の初期段階であることに注意するように断っています)
    ジェニファー・ワーゴ博士らの研究は実験対象が46人と小さく、研究中という段階でしかありませんが、
    研究者らが掛け持ちで所属する二つの研究所が全米で最も著名な癌治療病院で知られるMDアンダーソン研究所(ヒューストン)と、先端的で資金豊富な*パーカー癌免疫療法研究所(サンフランシスコ)であることで
    大きな注目を浴びました。

    さらに注目を浴びたのは、同様な研究発表が、イランの*ガル・マーケル博士(Dr.Gal Markel)からもあったことです。
    ガル・マーケル博士は癌治療に100本を超える論文を発表している世界的に著名な
    癌免疫学、医療微生物生理学研究者。
    癌治療界で最もホットな話題となったのは必然でした。

    (注釈)
    *パーカー癌免疫療法研究所(the Parker Institute for Cancer Immunotherapy):
    IT業界の風雲児ショーン・パーカーSean Parker)のパーカー財団の寄付(約300億円)により
    設立されました。

    *ガル・マーケル博士(Gal Markel):Sheba Medical Center (Ramat Gan, Israel)
    *一般的に移植はcolonoscopy(コロノスコピー:大腸内視検査鏡)を使用しますが
    ガル・マーケル博士らが使用した投与手法の一部は水分を抜いた
    腸内微生物叢の棲み処をカプセル封入して経口投与するものです。

    4. 現段階の腸内微生物叢移植はクロストリジウム・ディフィシル腸炎の治療

    腸内微生物叢移植は(今のところ)抗生物質の投与等で正常な腸内微生物叢に
    発生すると考えられているクロストリジウム・ディフィシル腸炎の治療法として
    認められているものの、正式ながん治療法とはされていません。

    2011年に米国では29,000名の患者がクロストリジウム・ディフィシル腸炎など
    腸微生物感染症で亡くなり、これまで、その防止には抗生物質医薬品の
    投与を中止する手段しかありませんでした。
    Modulation of the Gut Microbiome to Treat Dysbiosis and Cancer

    (注釈)
    *クロストリジウム・ディフィシル菌(Clostridium difficile)
    *クロストリジウム・ディフィシル腸炎(Clostridium difficile colitis)

    5. 生菌サプリメント服用が善玉バクテリアの腸内生態バランスを崩す

    腸内微生物叢移植研究の実験を通じて得られた成果の一つとして腸内微生物を人工的に
    補給することのマイナス要素を証明したことが挙げられます。

    移植実験では生菌サプリメントの服用が善玉バクテリアの腸内生態バランスを崩し
    免疫応答を損ねていることが分かりました。
    「生菌は腸に良いといわれているが、人工的な補給は免疫システムを
    破壊するのではないか」
    ジェニファー・ワーゴ博士らの調査ではプロバイオティクス・サプリメントを
    併用しているメラノーマ患者の70%が癌免疫療法の感受性低下を招いたと
    報告されています。

    これまでも腸内のミクロビオーム(マイクロバイオーム:微生物叢)や100兆を超える微生物は人の健康を左右する重要な役割を果たしていると考えられていますが
    質により善悪両面を持つ微生物叢の善悪バランスの判断は個々人で多様な反応を示すために非常に困難です。

    ところがサプリメントのプロバイオティクス(probiotics)はビタミンや他のサプリメントと同じく
    FDAの緩い監督下にありますから、医療的に不都合な結果を招くことが予想される
    癌患者が自らの意思で好みの単独生菌種類と量のバクテリア菌を服用できます。

    米国では腸内微生物群のバランス不均衡改善にプロバイオティクス・サプリメント需要が
    拡大しており、2013年には360億ドルに達したとも言われています。
    がん研究者が懸念するもう一つの問題点は店頭で売られるプロバイオティクス・サプリメントが表示する単独生菌種類が、実際に使用されているかの確認が困難なために、購入の都度、同ラベルで異なる菌種を摂食している可能性が大であることです。

    プロバイオティクス研究で著名なハーバード大学医学部の
    コ-ヘン教授(*Dr. Pieter Cohen)は2018年の*JAMA誌に
    「Probiotic Safety—No Guarantees:プロバイオティクスには安全性が保障されていない」
    を寄稿していますが、その中で「*単独の生菌補給を総体的に安全で効果ありと表現する、
    それを言い切るには不明点が多すぎる」と断言。
    WHOも無制限で過剰摂食されているプロバイオティクス生菌サプリメントに警告を発しています。
    WHO「“live microorganisms which when administered in adequate amounts confer a health benefit on the host.” Yet to be sold as a probiotic supplement in the United States, a live microorganism does not require evidence of efficacy or even safety」

    発酵食品に多様な種類を持つ日本はプロバイオティクス研究が進んでいます。

    長寿社会の勝ち組となるには(その27) 臨床内科医師のつぶやき ヨーグルトが悪化させる?小腸細菌異常増殖(サイボ:SIBO)

    臨床内科医師のつぶやき ヨーグルトと小腸細菌異常増殖(SIBO)
    乳酸菌の医学的研究はメーカー主導が多く、正しい情報を伝えていないのが乳酸菌研究に先導的な役割を果たしている研究者達の悩みだそうです。いまだに「胃の関門を通り抜け、生きたまま腸に届く」「当社の飲料には乳[続きを読む]

    (注釈)
    *単独の生菌:isolated live bacteria
    *プロバイオティクス(probiotics:有用培養バクテリア菌)
    人体を棲み処とする微生物細胞は百兆を超え、栄養、代謝、人体生理、免疫力機能に
    大きな役割を果たしています。
    微生物の棲み処は主として皮膚(skin flora)、腸内(gut flora), 膣内(vaginal flora)が
    知られています。
    *Dr. Pieter Cohen :
    an associate professor of medicine at Harvard Medical School.
    an internist at Cambridge Health Alliance
    *JAMA: The Journal of the American Medical Association

    (予告)
    白血病(ルキミア:Leukaemia)、悪性リンパ腫(リンフォーマ:Lymphoma)は
    骨髄や幹細胞の移植(bone marrow stem cell transplants:BMT)の処置例が多い癌。
    それ故、BMTで発生する移植片対宿主病(graft-versus-host disease :GVHD)が悩みの種です。
    ある種の免疫拒絶反応ですが、適正なプロバイオティクスが見つかれば、
    この反応を和らげることが期待されています。

    また免疫力が極端に低下する癌患者には治療法の一環で「良いと思って処方している
    抗生物質」が善玉バクテリアを殺してしまうことが多く
    有用な善玉バクテリアが死滅し、腸内微生物叢のバランスが悪化し、激しい下痢の発生などで
    深刻な症状となります。
    次回のレポートではパーカー癌治療研究所がテキサス大学はじめ有力な研究所とコラボレーションし
    「有用な善玉菌を損傷させない抗生物質の開発」、「無数の種類(strain)の中から有用微生物の
    棲み処を攻撃しない善玉菌を特定する研究」などの開発プロジェクトを含めて報告をいたします。

    pink hearts on white background

    歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、その機能は窒素合成阻害酵素の阻害機能。 シトルリンが窒素合成の素材として機能し、レスべが窒素合成酵素を作り出す機能と切り口は異なりますが、中枢神経を興奮させる媚薬、催淫剤と一線を引く点では同じです。

     

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