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石木時代

石木時代

イワタバコが告げる鎌倉石の在処(ありか)

1. 建築土木石材の耐久性と鎌倉石鎌倉市周辺には大谷石に似た「鎌倉石」と呼ばれる凝灰岩採石の歴史があります。鎌倉時代から土木石材として利用されていた鎌倉石は石材耐久性の教材として多くのことを教えてくれます。建築土木石材の石種選択に重要なのは耐久性。石材の耐久性には摩耗、衝撃、引っ張り、曲げ、熱伝導など物理的な強度から耐酸性、耐水性、退色進行、耐候性、耐熱性など様々な要素が関与しますが実際に適材適所を決める時は施工実績を検証して、石種と産地を選んでいます。石材の耐久性は測定器で計測した数値と実績が異なることが多く、施工例の経年変化を確認する作業が最も重要だからです。歴史ある鎌倉石の施工例は寺社に多くありますが、目視で探すのは容易ではありません。土木用途がほとんどで、緑に覆われているからです。また、多くが文化財の寺社に施工されており、サンプルを削り取るわけにもいきません。イワタバコ(Conandron ramondioides)宇都宮市大谷で撮影:トニー羽太さん2. 鎌倉石の在処(ありか)はイワタバコの花が教えてくれました幻の石材となってしまった鎌倉石の在処(ありか)は想像と推測が多いので...