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しらす・さぶろうの日本人がんばれ!!

食在亜細亜:アジアの生鮮食材

アジアの食用蟹文化(4): 北海の蟹漁(かに)最前線は太平洋戦争の激戦地: アリューシャン列島アッツ島の玉砕

終戦記念日が近くなるとマスメディアを賑わすのが太平洋戦争の回顧録。恐ろしく、悲惨な戦争の体験談を経験者が語り継ぐのは後世のために重要なこと。特に経政官界のリーダーはほとんどが大戦後生まれで軍、警察、省庁の権力乱用の実態を知らない世代。国民も体験者が少なくなり、声が小さすぎるのか、戦後に占領軍主導で奪い返した国民主権を元に戻す動きがありますが、少しでも抑制するために、太平洋戦争の実態を明らかにし、記録するのは重要なことでしょう.ウナラスカなどアラスカ州に多いハクトウワシ(白頭鷲)はアメリカ合衆国のシンボル写真はダッチハーバー町で撮影した猛禽の白頭鷲(ボールド・イーグル:bald eagle:Haliaeetus leucocephalus).米国の力の象徴として双頭の鷲(ダブル・イーグル)がコイン、切手などにデザインされています.一時は絶滅危惧種(Endangered)になったくらいの希少保護動物ですがアラスカ州では見ることができます.アラスカ州から細胞内の染色体のように細く、長くベーリング海に横たわるアリューシャン列島。(Aleutian Islands :大きな島だけで55島、内14...
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タイの魚市場その5:アジアの食用蟹文化(2): ソムタムプーとベンケイガ二(Sesarmops intermedium)

タイ国民の大好物.青パパイヤのサラダ(ソムタムタイ:Som Tam Thai)(バンコク)1.タイ国民(アジア人)に欠かせないソムタムプー(Som Tam Pu:Somtam Poo)ソムタムプーはソムタム・タイに発酵カニを入れたタイ食文化の代表的庶民料理。未熟な青パパイヤのサラダ(ソムタムタイ:Som Tam Thai)に、生の塩漬け淡水産カニ(タイ語でプー:puまたはpoo)をすり潰して入れ、トマト、ハーブ類、トウガラシ、好みの味噌だれ、スパイスなどを加えたサラダ。ソムタムプラーラ(Somtam Pla-ra )と呼ばれる料理もありますが、ソムタムタイに発酵させた生魚を入れたものです。日本人が生のカニを入れることはお奨めできません.(写真上)唐辛子、ニンニクで漬け込んだベンケイガ二(Sesarmops intermedium:Sesarmidae)(バンコク:タイ)ソムタムプー(Som Tam Pu)に使 用するカニは伝統的にベンケイガニ科(Sesarmidae)のセサーミッド・クラブ(sesarmid crabs:Armases Angustipes:淡水系)を塩漬け発酵させて使...
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タイの魚市場その4: アジアの食用蟹文化(1):ノコギリガザミとタイワン・ガザミ

1.熱帯、亜熱帯アジア(亜細亜)生鮮市場の蟹(カニ)世界に蟹(カニ)は数千種類も生息しますが、商業的価値がある品種は少なくどこの国でも主要市場に出回る食用蟹の品種は限られています。タイでも蟹(タイ語でプー)はエビ同様に多種類が生息しますが、商業的な食用蟹の品種はごくわずか。2-4種類くらいです。また蟹食文化はタイ、マレーシア、ヴェトナム南部のような熱帯地域と温帯地域の日本や欧米とは根本的に異なります。温帯地方は北方産の大型蟹、温帯産の中小型蟹双方が獲れるためにバラエティーが豊富。熱帯地方は中小型蟹が数種類。温帯地方は蟹の身とみそ(中腸腺)、卵(外子)、卵巣(内子)を楽しみますが、熱帯地方は発酵させた卵巣とカニみそ(中腸腺)を中心に、身は殻ごと潰して食します。 2.熱帯蟹のチャンピオンはノコギリガザミ(Scylla serrata)(写真上)アカテノコギリガザミ(Scylla olivacea)と区別して呼ぶ人もいます。(写真上)左右ともには背面(甲羅)に網目があることからアミメノコギリガザミ(Scylla serrata)と呼ぶ人もいるようですが味も姿も上段のアカテ(赤手)との区別が必...
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ロータス(蓮)の有毒アルカロイドが美容、ダイエットの有効成分?

ヴェトナム旅行では蓮(ロータス:Lotus:Nelumbo nucifera)の実の菓子や蓮茶、蓮の葉茶がおみやげの定番。ロータスの種を砂糖に漬けた菓子レストランでは蓮の実のターメリックライス、サフランライスを食した方も多いでしょう。食用植物にはビタミン、ミネラル、繊維質以外に三大健康成分といわれる生理活性化物質があります。その三つとは野菜、果実には癌(がん)や心血管病の予防や再発防止のポリフェノール。香辛料やハーブには精油(essential oils)、植物樹脂(oleoresins)のテルぺノイド。植物性生薬にはアルカロイド。このうち、モルヒネに代表されるアルカロイドは危険な物質でもあり、用法、用量が難しいために、アルカロイド含有食品には十分な知識と経験が必要です。「旧フランス領インドシナの食文化(3):ヴェトナムの蓮(はす)食文化は不眠症、消化器疾患に著効?」蓮(ロータス:Lotus:Nelumbo nucifera)日本にも蓮の葉茶が輸入されるようになりダイエットや美容目的に愛用者がいるようです。安価なお土産の蓮茶は蓮の葉は使用せずに緑茶がベース。合成香料での味付けですから、...
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旧フランス領インドシナの食文化(3): ヴェトナムの蓮(はす)食文化は不眠症、消化器疾患に著効?

蓮の花(lotus:Nelumbo lutea または Nelumbo nucifera)食用にされる蓮(ハス)はロータス(英名:Lotus)と呼ばれます。種類は2種が知られています。ロータスの大きな葉や花にはイソキノリン・アルカロイドが豊富 (写真上下)ベトナム・ホーチミン市郊外の水連(water lilly:Nymphaea, Nympheaceae)一般的に水連(スイレン)と呼ばれるものは観賞用.70種類はあります。ヴェトナムの食用蓮(Nelumbo nucifera:Lotus)はインド原産といわれ、インド同様にヴェトナムでも国花となっています。鍋料理が盛んなヴェトナム南部で花や茎、花弁は高級鍋用野菜。実(み)は生も食されますが乾燥品が主流。通年の食材として普及しています。乾燥させることでアルカロイドの毒性が失われるかどうかは不明。(写真上)べトナム南部とカンボジアとの国境は蓮(花托)の売り子が名物風景。メコン川フェリーで出会った欧米人(ロシア?)は売り子から買ったハスの実を、生で食べていました。香り高い生食ができるのは実だけのようですが、アルカロイドの危険性もあり、慣れない都...
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「白洲次郎と英会話」:日本人の国語は英語ではない

2009年9月にNHKテレビドラマの白洲次郎物語が3回にわたり放映された。数々の賞を得た番組だったが、実際にはフィクションなのかノンフィクションなのか、白洲次郎さんを評価しているのか、していないのか正体不明。2000年代後半になり白洲さんは「進駐軍(太平洋戦争後の連合国占領軍)と堂々と渡り合った男」としてマスコミをにぎわし、国民的人気を得たが、NHKテレビドラマには明治男の人間像が歪められている部分がいくつかあり、気になった。特に引っかかったのは英語で怒鳴りあいながら恋を語るシーン。本当だろうか? どのような意図でシナリオが書かれたのか?良く考えれば、「語学が達者」と表現したかった。悪く考えれば「日本人の気骨」と、「舶来崇拝(かぶれ)」の2面性を強調したかった。良く見ているのか、悪く見ているのか。ライターの真意がわからない。総じて気張りすぎのオーバーな表現が多い演技。シナリオ・ライターも、俳優も白洲次郎の世界が理解できていなかったのかもしれない。「華麗なる一族」の演出にも不自然なシーンが多かったが、真の上流階級はもっともっとカジュアル。振る舞いは一般人と変わらない。 樺山正子さん(白洲...
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「日本人のスポーツ観」

米国ペンシルバニア州のリゾートで開催された、あるメーカーの代理店コンベンションに参加した時のこと。スケジュールの中日(なかび)にゴルフ大会が組み込まれていた。参加者は130数名。ゴルフ王国のアメリカ人がほとんど。ハンディキャップは申告制。苦戦を覚悟したが、ラッキーにもベストグロスで優勝した。ところが賞品をもらって驚いた。一枚刷りのカレンダーと小さなお菓子。日本の招待コンペティションなら商品券、高価なスポーツウェア、テレビなどの電気製品が珍しくないバブル時代。欧米知識人の大部分は日本人とドゥ・スポーツの楽しみ方が全くといってよいほど異なる。プロや国際レベルを目指す連中と一般社会人のアマチュアとは大きく、太い線で分けられている。アマチュアは仕事や生活の相当部分を犠牲にしてまでスポーツに打ち込まない。夢中にならない。知識人のクラブやサークルは健康維持と社交の場という思想が浸透、徹底している。ゴルフ、テニス、野球、サッカー、バレーボール、トラック競技などメジャーなスポーツは国際的なトップレベルで議論するならば、どれも純粋の日本人には民族的に不向きなスポーツ。日本の超トップレベルのプロ選手でさえ...
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伝統鯨食文化に干渉する欧米人. 身勝手から同胞を護るのが真の国際人

調査捕鯨が糾弾され操業が停止するというニュースは内外の生鮮食材を研究するものとしてショック。確かに鯨肉がスーパーやネットを通じて全国的に売られている実態から商業用途の捕鯨といわれればその通りでしょう。しかし調査捕鯨は鯨肉食文化、産業を廃止できない日本の伝統的食文化に海外が理解を示したもの。伝統や生活文化が異なる国際間が妥協するために編み出した必要悪の産物と捉えていました。廃止を主張する国の中でも急先鋒のオーストラリアは世界大戦の怨恨もあり親日的ではない肉食民族の集まり。長い海岸線の割には魚介料理への関心が薄く、輸出が主となる水産業も規模が知れています。そのうちエビや魚の「活造り」が残虐だ、日本の漁業は海の生態系を破壊するなどと言いだすでしょう。(知識人の多いニュージーランドは肉食国ですがやや趣が異なり温度差があります)日本にとって捕鯨産業は微々たるものですが、マイナーながら同胞が生計を立てている伝統食文化。世界を知る日本人達が先頭となり、日本国を挙げて海外からの圧力と戦うべきでしょう。反論の根拠はこれまでどおり食文化の違い。肉食欧米人は牛、豚、羊などの残虐な殺害現場を公開したことがある...
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「天は人の上に人を作らず:小沢征爾が世界に受け入れられた何故?

2014年1月の日本経済新聞「私の履歴書」は指揮者の小沢征爾さん。紹介された若いころの生活から日本の社会構造の特殊性が垣間見える。履歴書ではまだ紹介されていないが、小沢征爾さんが日本で話題となったのはNHK交響楽団との軋轢が最後。青いかもしれないが才能あふれる若者。当時、数多くの有力文化人が若者に嫉妬し反発する古い体質のNHK楽団に怒り「小沢征爾の音楽を聞く会」を結成したが、NHKが改まるはずもない。その後しばらくして征爾さんは日本での活動と縁を切った。心の豊かさが欠如してしまった日本社会はいまに至るも国際社会になじめず孤立を招いている。産業経済第一、「銭ゲバ」一筋で復興を成し遂げたかもしれないが、代償はあまりに大きい。日本を出た征爾さんが国際社会で多くの人に愛され続けた、変わらぬその本質を紹介したい。「日本人がんばれ:第二十一話:2008/11/20」自民党が老衰して、国民の関心は民主党に移っている。ところが民主党に投票したいが、小沢一郎さんが首相になることには賛成できない、という人が多い。今度の衆院選はこのあたりが興味深い。小沢さんを好きになれない国民の大部分は、多分、彼が自民党幹...