西アフリカでエボラ出血熱が短期間これまで10年間の感染例、死者を上回る
死者2,000人を超えるブレイク(2014年9月初)をして騒ぎとなっていますが、
同じ西アフリカにはエボラの親戚ともいえる
マーブルグ出血熱(Marburg haemorrhagic fever)があります。
マーブルグ出血熱はエボラ出血熱と同じフィロウィルス科(Filoviridae)。
1967年にウィルスが最初に同定されたのが大学都市のマーブルグ市(ドイツ)。
以来、その名がついていますが、アフリカの風土病といえる人獣共通感染症。
コウモリ、サルなどから感染すると考えられています。
エボラ出血熱と同様に散発的に発生すると考えられていましたが
2005年に西アフリカ南部のアンゴラ共和国(República de Angola)ウィジェ州(Uige)で
ブレイクした事例以来、汚染地のケニア、コンゴ、南アフリカなど関係各国は警戒を強めています。
日本では1類感染症に指定されています。
アンゴラ共和国は16世紀から19世紀に南米やカリブ海沿岸諸国へ奴隷を300万人以上も
供給した国。人口は約2,100万人。
近年は内乱と独立戦争が絶えず、国土は疲弊、資源開発(石油、ダイアモンド)による
自然破壊が続いています。
アンゴラのブラゾン(国の紋章)
マーブルグ出血熱のアンゴラ共和国でのブレイク(2005年~6年)は1年間足らずで214件が発症。
死亡者が194人。実に90%の致死率でした。
最終的な集計では300名以上が死亡したと伝えられていますが
ウィルスの強毒性への変異が推測され、以来、散発的発生という概念はなくなりました。
資源開発ブームの西アフリカでは自然破壊で追われた動物が人間生活圏と交錯し、
様々な風土病ウィルスを顕在化させるようになるだろうと恐れられています。
マーブルグ出血熱の症状はインフルエンザ様でエボラと変わりませんが、特徴的なのは
皮膚粘膜発疹といわれます。
感染症の海外ニュースと解説 の記事一覧
- トランプ政権のNIH再編成とWHO脱退の荒療治 赤字財政の主因である日本の医療制度、改革が大進歩
- 英国BMJ誌が米FDAのcovid-19 vaccine副作用隠蔽疑惑を糾弾 隠されている重大副作用 (続)EUワクチン公聴会でファイザー社役員が内部告発
- ワクチン接種義務化問題(その11) 収束近いオミクロン株: 余剰ワクチンは廃棄が正解
- デルタクロン(Deltacron)とフルロナ(flurona) ジョークとみなして良いか?
- ワクチン接種義務化問題(その5 ) 新多重変異株オミクロンへの対応: 日本人は慌てる必要が無い?しらす・さぶろう(オピニオン)
- ワクチン接種義務化問題(その4 ) ゲームチェンジャー(Game changer)はCovid-19経口治療薬 Covid-19ワクチンの落日と、夜明けを迎えた経口治療薬
- 期待のモノクローナル抗体カクテル療法はVIP専用? 「カシリビマブ」「イムデビマブ」「ソトロビマブ」
- ワクチン接種義務化(その1) 蘇る(よみがえる)太平洋戦争時の悪夢
- ワクチン接種者の再感染がインド株(デルタ株)感染爆発を後押し
- インド株(デルタ株)の免疫逃避ウィルスL452Rの脅威 インド株(デルタ株)の免疫逃避ウィルスL452Rを窒素ガス(NO)でを無能にする