1. 新型インフルエンザが、なぜメキシコで発生?
オーストラリアの科学者ギブス氏とマスコミとのインタビューが波紋を起こしています。
2009年5月11日のインタビュー内容は「メキシカン・豚インフルエンザは人為的なもの」:ウィルスは実験室で造られた?
「典型的な実験室人造ウィルス(a typical lab made artificial design porcine influenza virus)」というものです。
ポーサイン(porcine influenza)はスワイン(swine flu)と
同様に豚インフルエンザを意味します。
新型インフルエンザがなぜメキシコから? なぜA(H1N1)?
なぜメキシコ人の死者が圧倒的に多い?という疑問を持つ関係者は少なくありません。
ギブス氏(Adrian Gibbs)は75歳。引退してオーストラリア在住。
現役時代はタミフルやリレンザのオセタミヴィル(oseltamivir) 、
ザナミヴィル(Zanamivir)開発に主導的な役割をはたしました。
ギブス氏の発言にはバイオテロとの言及はなく、研究途上のミスとの見解。
発言は正式なものではなく、細かな立証データが公表されるまではWHOも仮説とみなし、コメントはしないとの事。
ただし、有力者の発言だけに無視できないWHOは、関係各国に調査依頼を出したようです。
2. メキシコ人に死亡者が多いのは?
メキシコは感染後の対応が遅く、貧しさゆえに治療が受けられず死者が多いと
いわれますが、反論も在ります。
メキシカン・ブタ・インフルエンザウィルスについては、すでにメキシコの関係者であるセルヴィン(セルヴァン)氏(Manuel Servín)から驚くべき発言があります。
セルヴィン氏はかっての国家ワクチン生産センター(National Center for Vaccines Production)の主任でした。
セルヴィン氏は
「このウィルスはメキシコ人などラテン系の遺伝子を持つ民族にダメージを与えるようデザインされたもの」
「それ故メキシコ人の感染者が重症になる」と発言。物議をかもしていました。
アメリカはバイオテロの脅威を身近に感じており、この種の研究は
メリーランド州のデトリック(Fort Detrick, Maryland)を中心に
非常に進んでいます。
3. メキシコとアメリカ合衆国との微妙な関係
新型ウィルスについては様々な憶測があり、時を経ねば真相はわかりません。
ラムズフェルド(Donald Rumsfeld)、ジョージ・ブッシュなどの右翼的勢力から
見ればメキシコは完全に敵国。
メキシコ政府はイラク戦争、アフガン紛争などに批判的であり、
政治的にはアメリカ合衆国との間に大きな壁があると言われています。
世界保健機構(WHO)の感染症部門は米国の疾病管理センター(CDC)そのものですから、
ギブス氏やセルヴィン氏の発言が認知されることは、あり得ないでしょうが、
今後の成り行きが注目されます。
タミフルの開発をしたギリアード社はラムズフェルド氏(Donald H. Rumsfeld) が
創業より参加して、1997年に会長となったことで知られます。
初版:2009/05/15
感染症の海外ニュースと解説 の記事一覧
- トランプ政権のNIH再編成とWHO脱退の荒療治 赤字財政の主因である日本の医療制度、改革が大進歩
- 英国BMJ誌が米FDAのcovid-19 vaccine副作用隠蔽疑惑を糾弾 隠されている重大副作用 (続)EUワクチン公聴会でファイザー社役員が内部告発
- ワクチン接種義務化問題(その11) 収束近いオミクロン株: 余剰ワクチンは廃棄が正解
- デルタクロン(Deltacron)とフルロナ(flurona) ジョークとみなして良いか?
- ワクチン接種義務化問題(その5 ) 新多重変異株オミクロンへの対応: 日本人は慌てる必要が無い?しらす・さぶろう(オピニオン)
- ワクチン接種義務化問題(その4 ) ゲームチェンジャー(Game changer)はCovid-19経口治療薬 Covid-19ワクチンの落日と、夜明けを迎えた経口治療薬
- 期待のモノクローナル抗体カクテル療法はVIP専用? 「カシリビマブ」「イムデビマブ」「ソトロビマブ」
- ワクチン接種義務化(その1) 蘇る(よみがえる)太平洋戦争時の悪夢
- ワクチン接種者の再感染がインド株(デルタ株)感染爆発を後押し
- インド株(デルタ株)の免疫逃避ウィルスL452Rの脅威 インド株(デルタ株)の免疫逃避ウィルスL452Rを窒素ガス(NO)でを無能にする