コロナ禍が長かったために、健康問題は行政や病院、医師任せだった国民性が 変わったような気がします。
2020年は重症患者が多発して受け入れ医療施設や救急車までが満杯となり、 自宅待機中に死亡したケースが頻発したからでしょう。
日本の至れり尽くせりのこれまでの医療行政が 破綻したことで国民が自己努力、自己責任で自身の健康を維持することに 目覚めたことは不幸中の幸い。
「健康寿命を延ばす若返り」シリーズでは最大の敵を癌と見做しています。
「2人に1人が癌(がん)に罹り、3人に1人が亡くなっています」 とは統計を公表する、がん研究振興財団HPの書き出しですが 2人に1人ならば半数は罹らないということです。
その勝ち組を目指して癌の最大発症因となる食生活を改善しましょう。
健康寿命を延ばす若返り第4話:
1. 健康寿命を短命にする主役は癌(がん)
日本では大多数の方々の健康寿命はおおよそ72才位までといわれていますが、 「健康寿命を延ばす若返り」シリーズでは最大の敵を癌と見做しています。 遺伝子解析により医学がこれまでにない急発展をしている現在でもがん撲滅は 先が見通せないほどの難題。 一人の患者の治療費が億円単位ともなるケースが多い治療法の研究は進展しても、 人口の80%以上を占める庶民が恩恵を得られる研究はすすんでいません。
また生存率は高くなっていても。寛解状態(かんかい:remission)の方も少なくありません。
がん遺伝子が突然変異をおこし、発がんに至る主原因には様々な学説がありますが、 古くから指摘されている遺伝子による癌の発症ケースはそれほど多くはなく 大気汚染、粉塵公害など環境汚染由来や紫外線、放射線、微量放射線、 化学物質製造工場、化学物質使用工場の公害および、不適切な食生活が主役であることが 疫学的調査によって判明しています。
この中で最大の発症原因といわれるのが、不適切な食生活。
食による発がんには20年、30年かかるのが常ですから、相当な注意をしていても 避けることが困難な厄介者です。
2. 水産、食肉加工品が添加する亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)
亜硝酸塩は、メトヘモグロビン血症という病気やニトロソ化合物という発がん性物質を作ることに 関係する物質と考えられています。 当コラムでは永らく危険性をアピールし続けてきましたから、詳細は下記に記載してあります。
「加工肉の亜硝酸ナトリウムはトップクラスの発がん物質(WHO:IARC): 加工肉、食用肉の発がん性」
亜硝酸ナトリウムは辛子明太子、イクラなどの魚卵や かまぼこ、干物、塩からなどの水産加工品、 漬物類、ソーセージ、ハム、ベーコンなど食肉加工品が主たる用途。
発色剤、保存剤として重宝されています。
最近では添加物表示に「*無えんせき」と書かれた商品も増えてきましたから、 添加物表示を見れば避けることが出来ます。
*「無えんせき」
加工に使用される調味料液に亜硝酸ナトリウムなどが不添加という意味
通販などで販売される無えんせき商品は割高製品が多いですが、 湘南地方では「OKストア」が亜硝酸ナトリウムを避けた無えんせき表示の ソーセージ、ハム、ベーコンを伊藤ハムに特注し、これまでと同じ価格で販売しています。
無えんせき商品は見栄えの悪さや保存期間短縮のハンディーを乗り越えた健康志向商品。
アミノ酸調味料排除までは出来なかったようですが、大きな一歩の前進をしています。
全国のハム・ソーセージの市場規模は大手6社の売り上げから推量して約7千億円。
水産業の市場規模は、統計に入らない零細業者が多いために、数字の把握は困難ですが、 数字のつかみやすい輸入物を加えて約3兆数千億円はあるといわれ、 加工食品が5~6割くらいを占めています。
ハム・ソーセージ、水産加工食品は食生活では身近で重要な素材となっていますから 知らず知らずに亜硝酸ナトリウムを摂食している方がほとんどでしょう。
3. 亜硝酸塩の毒性
亜硝酸塩の毒性はグルタミン酸に比べはるかに強く 発がん物質として国際がん研究機関(IARC)からグループ1(人に発がん性がある(Carcinogenic to humans))に分類されています。 添加物を生産する関係業界では「野菜を食べると野菜に含まれる成分の一定量が体内で、亜硝酸塩と同じ成分になり、その量は発色剤として食べる量よりもはるかに多い」とPRしていますが 専門家ならば化学合成された亜硝酸塩と、体内生成される亜硝酸塩が同じとはいわないでしょうから 良否の論点とはなりません。
合成アミノ酸のグルタミン酸も必須アミノ酸ではありませんから体内生成されますが、 合成アミノ酸は毒性が非難されても、体内生成されたアミノ酸は有害どころか有益です。
亜硝酸塩が体内生産されるのは必要だからであり、有益かもしれません。
*グルタミン酸は一定量以上摂食しなければ、毒性は薄いともいわれていますが、 (*JECFAでは毒性は不明と位置付けられています)
*JECFA(Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives)
広範囲な加工食品や調理に使用されているために、どれだけ摂取しているか 分かりづらいのが難点なのです。
グルタミン酸は加工食品や外食などで知らず、知らずに過剰摂取している可能性が 高いといわれます。
4. がんに公約数的な対策は無い:「疑わしきに近寄らず」
どんな食材も効能がある反面、摂取量によっては毒性を持ちます。
人種が同じで、同じ食材を食しても良否の反応が存在し、限界危険摂取量も 人それぞれで異なります。
癌の発症も20年から30年以上時間がかかることがほとんどで、 因果関係の結果は本人にしかわかりません。
そのためには信頼できる危険物情報を、いかに早く得るかが「健康寿命を延ばす若返り」の必須条件。
誰の食生活にも共通する、役に立つ情報もありますが、ネット社会には 数多くの低質な情報があふれています。
医学は遺伝子の全容解析と共に早いスピードで進化を続けていますが いまだに疑いが濃厚でも因果関係が解明できない事象は数えきれないほどあります。
因果関係の可能性を発してくれる信頼すべき情報源をいかに早く確立できるかが鍵です。
「疑わしきに近寄らず」の姿勢が必要でしょう。
第1話を参照してください
5. 日本で癌発症者が多いのは高齢者が多いからか?
公益財団法人がん研究振興財団によれば日本人が一生のうちに がんと診断される確率(2018年データに基づく) 男性65.0%(2人に1人)
女性50.2%(2人に1人)
日本人ががんで死亡する確率は(2020年のデータに基づく)
男性26.7%(4人に1人)
女性17.9%(6人に1人)
2019年に新たに診断されたがんは999,075例
2020年にがんで死亡した人は378,385人
「近年のがん統計では、2人に1人が癌(がん)に罹り、3人に1人が亡くなっています」
統計を公表する、がん研究振興財団HPの書き出しです。
高齢者に多い老人病だから避けることが出来ない、といわんばかりですが、 2人に1人ならば半数は罹らないということを、どのように理解したらよいのでしょうか。
癌の諸統計を見て、どうすれば癌にならずに済むのかが分かる人がいるのでしょうか。 発症部位の多い順、発症年齢などを分類し、羅列されても予防の役に立つ統計にはならないでしょう。 統計では、がんに罹らない、死亡しない人の詳細は一切わかりません。
日本人は平均寿命が80歳前後で、先進国並みでも、健康年令が約10才は短いといわれます。
国民の健康を護る(?)省庁の弁解じみた統計や解説ではなく「どうしたら癌を防げるか」です。 癌の発症者は50~60才から目立つようになります。
この年齢層は決して老人ではありません。 発表されている発症年齢、発症部位などの統計は結果だけであり、予防策を立てるためにはあまり役にたちません
発症原因は個々人で千差万別でしょうから、どこに発症した、何才で亡くなったかなど結果だけの統計では予防法を確立するためには役立ちません。
どなたの身辺にも80才を超えて元気な方々がたくさんおられるでしょう。
「癌を罹病しない人が半分はいる。だからその勝ち組に入らなければいけない。
勝ち組はこんなことを心掛けている」
というような論調が関係省庁のあるべき姿ではないでしょうか。
6. 期待したい、予防に役立つ癌関連統計
罹患者が発がん物質にさらされる時期はおおむね30才から50才くらい。
放射線、環境汚染、アスベスト、粉塵に暴露された時期があるか?あるとすれば何才ごろか?
癌に罹った人、罹らない人はどのような食生活習慣、労働、住居などの環境に差異があるのか?
加えて、データ数は少数ずつでも、発がん物質といわれる添加物を 若年層から避けていたか否か。
確度は落ちるかもしれませんが、コホート調査もオンライン、SNS経由の時代です。
詳細を探るのは容易ではありませんが、大まかなトレンドだけでも欲しい情報です。
こまめに患者の詳細をノートして分類している医学者も少なくないとおもいますが、 国家の支援で集計、分類すれば、立派な疫学調査となるのではないでしょうか