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    旧フランス領インドシナの食文化(6): ベトナムとアメリカ(米越)のナマズ戦争:バサ、チャー、サワイとは
    ベトナムとアメリカ(米越)のナマズ戦争:バサ、チャー、サワイとは

    (写真上)プノンペン旧市場のチャー(Pangasius. hypophthalmus)
    多様なナマズ類と淡水魚が売られています。
    所得水準に比較して食生活の豊かなのが印象的

     

    環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で農畜産物の関税撤廃交渉を仕掛ける米国の農畜水産業。
    規模の割に政治力が格別に大きいことを理解できる一つの実例が2002年に勃発した米越ナマズ戦争

    (写真上)ジョホールバル(マレーシア)のチャー(Pangasius. hypophthalmus)
    ナマズは見る角度によって別種のように形が異なって見えます

    ティラピアやナマズ(バサ、チャー)が日本の魚屋で売られることは稀ですが、多くの人は知らずに食しています。
    ファーストフードのフィッシュバーガー、フィッシュ&チップス、居酒屋のフィッシュフライ、お弁当などの焼き白身魚、白身魚のフライ、スーパーの冷凍白身魚などに輸入されたティラピアやナマズが使用されているからです。
    *日本のスーパーではナマズ類を学名に因みパンガシウスと呼ぶようです。

     

     

    1.ベトナム・ナマズの殴り込みに危機感を増すアメリカの養殖業者

    ベトナムから米国に輸入されるバサ(basa:カンボジア語)や近似種のチャー(tra:ベトナム語)はアメリカナマズより美味なうえに、安い白身魚(ポンド当たり約3.50ドル)といわれ、レストランやファーストフードのフィッシュバーガーなどで人気があります。

    ベトナムから米国へのバサなどナマズ類の輸入量は1991年頃は900トンであったものが、わずか2年後には7,650トンに急増。
    2002年にはその倍以上 16,350トン。
    危機感を抱いたアラバマ州などのアメリカナマズ(Channel catfish)生産業者がダンピング(不当廉売)を指摘。
    セーフガードの発令を連邦政府に働きかけました。
    2003年8 月にダンピング認定され、セーフガードが適用されました。
    不当廉売の割増関税率は業者別に36%強から64%弱。

    チャネル・キャットフッシュ
    (Channel catfish:Ictalurus punctatus)

    ミズーリ、アイオワ、カンサス、ネブラスカ、テネシーが主産地
    (図鑑より)

     

    米越ナマズ戦争が顕在化した2002年当時のアメリカナマズ(チャネル・キャットフィッシュ)生産者は25事業者。
    アラバマ、アーカンソー、ルイジアナ、ミシシッピ各州合計の生産量はわずかに約5万トン弱で伸び悩み。
    全米の消費量は 8 万3,535トン、金額は3 億8,599万ドルでした(FAO)が差量は他産地からと輸入でまかなわれていました。

    総輸入量の98%はベトナムでしたから戦争を仕掛けた相手はベトナム。
    ロビー活動が功を奏しガードが適用された2003年にはすでにアメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)養殖生産量は倍々の右肩上がり。
    生産量29.7万トンといわれ、全米の養殖海産物の30%以上を占める産業となって、米越戦争はアメリカ業者の完勝でした.

     

    2.アメリカナマズ養殖業者の対ベトナム戦略は逆効果

    セーフガードにより完勝したアメリカの養殖業協会も途上では様々な戦略ミスを繰り返しました。
    ベトナム・ナマズは廉価、美味。
    猛攻に反撃しようと考えたアメリカナマズの養殖業者はベトナムにあらさがしツアー。
    原始的な養殖池と汚い環境に汚染された魚を期待しましたが見事に外れ。
    次は検査を強化して水銀含有の危険量を期待しましたが、マグロなど海産の大魚のほうがはるかに多い結果となり、かえって漁業そのものに打撃を与えるだけでした。
    結局、考えたのが「数千種あるナマズもアメリカでナマズと呼べるのはチャンネルキャットフィッシュだけ」にしようという法案。
    輸入業者は中国ヒラメと呼んだりもしましたが結局カンボジア語で通称されていた、バサの語呂が良いためにバサと呼ぶことにしました。
    ところがそれが美味しかっただけにナマズ嫌いの米国人までがこれに飛びつき、アメリカの養殖業者にはかえって不利な結果にしかなりませんでした。

    行き詰ったナマズ生産業者協会は今度はベトナム、中国産のナマズも、やはりナマズと呼べと政府に圧力をかけはじめました。
    まるで漫画見たいな話ですが本当の話。

    次いで輸入ナマズの低品質品の取り締まりも開始しましたが、かえって自分たちがコスト高になる問題に直面。
    なぜならチャネルキャットフィッシュもナマズ検査が必要になるからです。
    またナマズと呼べないならナマズでないから、ベトナムなどの輸入ナマズは検査は不要となってしまいました。
    彼らは連邦政府にナマズ検査を感染症など病害を取り締まるFDAから、御しやすい農林省管轄にすることを強いるようになりました。

    ナマズ養殖業は生産業全体からみれば小さな業界ですが、大きな政治力を持っているようです。
    当時の米国のナマズ産業低落は自動車燃料へ変換しようとしたことによるコスト高があるとも言われます。

     

    3.急増する世界の食用ナマズ養殖世界チャンピオンはチャー(tra)

     

    世界の食用ナマズのチャンピオンはチャー(tra:Pangasius. hypophthalmus)
    ジョホールバル(マレーシア)の海鮮レストラン水槽で泳ぐチャー(tra)
    ここではイカン・パティン(Ikan Patin:Pangasius Sutchi Fowler)と呼んでいました

    チャーは養殖の場合は30センチから80センチくらいで出荷されますが、釣りなどで天然ものをゲットした人の話では1.5メートル以上の巨大魚が棲息するそうです。

    世界のナマズ類(Cat fish)の生産量は急増しており、1995年の45万トンが10年後の2005年に166万トンと3.7倍に急増。
    これにはアメリカ向けを目的に急増したベトナムの生産量が貢献しています。
    米国は魚好きなヒスパニック人口増とファーストフードの隆盛でナマズ需要が急増。国産チャネルキャット生産が急増しましたが、高関税にかかわらずベトナム産輸入も順調でした。
    結局米越双方のナマズ産業が急成長しましたから、米越ナマズ戦争の敗者がベトナムとはいえないかもしれません。
    ベトナムのナマズ類(Cat fish)の生産量は2005年で38万トン。
    中国の49万トンに次ぐ世界第2位の生産量。
    信頼すべき数字では2007年には68万トン。金額で6億4千5百万USドル。2012年には80万トンを超えているようです。
    最近は抗菌剤問題や 価格で難題が多い米国に見切りをつけて他市場を開拓。
    米越戦で力をつけていたナマズ養殖業者はEU市場など100か国に輸出を伸ばし水産成金が続出。
    ベトナムの養殖水産業界も2000年の約200万トンが2012年は280万トンまで急増。
    金額ではナマズが28.4%を占めます(2012年)(国際連合食糧農業機関:FAO)

     

    4.バサ(basa:Pangasius bocourti )とチャー(tra:Pangasius. hypophthalmus)

     

    (写真上)中央上がチャー.下の黒い背がバサ.右端はチャーの幼魚と思われます.
    左端はレッドフィン・バ-ブと呼ばれる
    コイ科(Tinfoil Barb :Barbonymus schwanenfeldii)の淡水魚
    アジアでは有用な食用淡水魚ですが日本では
    観賞用熱帯魚として広く知られているようです(写真下もレッドフィンバ-ブ)

    バサ、チャーは本来別種とされていますが、サワイ、バンガなど欧米の呼称をも巻き込んで
    様々な文献に様々な解説があり混乱しています。
    学者の功名争いばかりでなく、ナマズ取扱業者の都合で意図的に詐称されているうちに混乱が増幅。
    結局は米国でサワイ(スワイ)、ヨーロッパでパンガと呼ばれるものは、Pangasius bocourti であったりPangasius. hypophthalmusであったりしています。
    ただし近年の輸出用養殖はPangasius. hypophthalmus(チャー)の味が、欧米人に好まれているのと、生産者側も生育が早く、パフォーマンスが良いチャーにシフトしています。
    したがって欧米市場では、ほとんどがチャー(Pangasius. hypophthalmus)になりつつあります。
    *日本のスーパーではナマズ類を学名に因みパンガシウスと呼ぶようです。

     

    これまで北アメリカのアメリカナマズ販売者は客に何も説明せずに、ヒラメなど海産白身魚をアメリカナマズにすり替えてレストラン、ファーストフードで販売することが珍しくありませんでした。
    それがチャーに再度すり替えられても消費者は味の相違が分らないうえ、メニューやフィレの真空パックに「スワイ」と表示されても、それがナマズということさえ知りません。無論、ナマズ種類の相違などもわかるはずがありません。
    実際にフィレ以外を見たことがないからです。

     

    バサ:Pangasius bocourti (Pangasius pangasius)

     

    バサ(Basa:米国)その他の呼称:Pangas catfish, shark catfish;
    カー・バサ(Cá Basa:ベトナム)
    インド、ミャンマーなどが原産といわれるがカンボジア、ベトナム産が著名。
    アジアでは小型のこの種類(Pangasius bocourti) が好まれるようです。
    *日本のスーパーではナマズ類を学名に因みパンガシウスと呼ぶようです。

    チャー:Pangasius. hypophthalmus(Pangasius Sutchi Fowler)

     

    スワイ(サワイ:Swai :米国)通称はいろいろ:iridescent shark, striped catfish,
    river catfish, sutchi catfish
    プラー・サワイ(Pla Sawai:タイ)
    カー・チャー(Cá Tra:ベトナム)
    イカン・パティン(Ikan Patin:マレーシア)
    *プラー、カー、イカンはそれぞれの国語で魚を意味します。

     

    写真上はニャチャン(ベトナム)の大衆生鮮市場.市場売り子が女性ばかりなのは戦乱の名残

     

    (写真上)ジョホールバル(マレーシア)一夜市場のチャー
    ベトナムと反対にマレーシアの市場は男ばかり

     

    (写真上)タイワンドジョウと呼ばれる雷魚(ライギョ:Blotched snakehead:Channa maculata 
    北部ベトナム、カンボジアで欠かせない食材

     

    (写真上)ベトナム、カンボジア特産のヒレナマズ(Clarias fuscus)
    (プノンペン:カンボジア)

    (写真上)ヒレナマズ類の「歩くナマズ」(Clarias batrachus::walking catfish)
    干拓地、田んぼなどの泥の上を這いまわります。

    米国ではフロリダなど湿地帯に渡来.外来有害生物として忌み嫌われています。

    ラウ(鍋料理)にナマズは欠かせないご馳走(ホーチミン市)

     

    5.メコン・オオナマズとカイヤンはチャーの親戚

     

    チャーのPangasius. hypophthalmusは2m以上になる巨大魚ですが
    親戚には水族館でなじみの巨大魚がいます。
    写真上はメコン・オオナマズ(Pangasianodon gigas)

     

    Pangasianodon hypophthalmus (Sauvage, 1878). カ イヤンと呼ばれるパンガシアノドン科に分類される魚類。

    (生鮮食材研究家:しらす・さぶろう)

    初版:2006年
    改訂版:2012年
    改訂版:2014年

     

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