山中教授の皮膚細胞による卵子、精子合成と IPS細胞
1.誘導多能性幹細胞(アイピーエス)の未完部分:iPS. 山中伸弥教授京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授らは、先週2007年11月20日にセル誌(Cell)に多能性幹細胞合成の成功を発表しましたが、それに関する政府対応についてケン幸田さんより怒りのレポートが到着しました。山中教授らは2006年に体細胞による誘導多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:以下iPS)に成功していました。この成功が公表されて以来、残されたハードルは幹細胞の最大のアイデンティティーである卵子、精子の作製と、作製に使用する遺伝子の「運び屋」に安全性が高い手法を用いることでした。2007年になりiPSは卵子、精子作製の成功で第一ハードルを越え、理論的な方向付けが出来ましたが「運び屋」には危険なレトロウィルスを使用しています。特異な性格を持つレトロウィルスはエイズウィルス、B型肝炎ウィルス、リンパ系悪性腫瘍ウィルスなど、危険なウィルスで知られていますから、残されたハードルはかなり高いものです。山中教授らも、これをクリアーしてから公表したかったのではと思われますが、iPS作製の成功...